羽釜(はがま)

羽釜(はがま)

 はがま(羽釜)電気やガスの炊飯器ができるまでは、この羽釜をかまどのうえにのせ、たきぎを燃やしてご飯をたいていました。


羽釜のかたち

 羽釜にはかまどに据えるときに落ちないよう、また安定させるために「つば」があります。そのつばを羽根に例えたことから羽釜(はがま)と呼びます。つばはかまどと羽釜の隙間をふさぐようになっているので、そこから上に火が上がることがありません。また、羽釜のつばから下半分の部分は丸くなっていて底全体に火がまわります。火の性質をうまく利用した形に、昔の人の知恵がしのばれます。 


 おいしいご飯を炊くコツは火加減

 火加減でご飯が硬くなったり軟らかくなったりするので、羽釜を使っておいしいご飯を炊くことは主婦の大事な仕事でした。「はじめチョロチョロ、中パッパ…」と羽釜でご飯を炊く時のコツは現代まで語り継がれています。口承は土地によって多少違いがあるようですが、以下と似たような内容です。 「はじめチョロチョロ、中パッパ、ジュウジュウふいたら火を引いて、赤子泣くともフタとるな。 最後にワラをひとにぎり、パッと燃え立ちゃ出来上がり」

いとなみの道具たち